Report01
あらゆるものを可視化せよ!

KCS新技術研究報告書Vol.01

センサーを利用した実証実験

「IoT」の普及により、あらゆる情報が取得&活用できるようになりました。様々なモノをネットワークに接続しデータ蓄積・解析することにより、様々な問題が解決できます。今回は「重量センサー」「圧力センサー」「位置情報センサー」を利用することで、在庫数や在席状況等を見える化しました。

Internet of Things

物品重量センサー販売管理システム
物品在庫を遠隔で照会

重量センサーの上にゴム手袋・おしりふき・入れ歯洗浄剤を置き、販売管理システムで在庫を遠隔から照会できるか、実証実験をしました。
(検証期間:2021年3月25日〜5月7日)

重量センサー

販売管理システム

「在庫確認のためだけ」の現地訪問を削減!

ただし課題も…

  • 重量センサーのサイズがA3までなので、大きなものが測定できない
  • A3サイズの場合、100g単位の計測となり細かな精度が求められない(A3サイズ100g単位、A4サイズ10g単位、A5サイズ1g単位)
  • 計測頻度が多いと、電池消耗が激しい
    →計測頻度の変更やAC電源接続を行い、電池消耗を気にしなくて良くなった

機器選定および設置場所のポイント

  • 測定対象の種類とサイズに合わせた機器を選択
    →機器の測定できる重さの単位やサイズ、上限重量を考慮する
  • どのようにネットワークに接続するか検討
    →既存のWi-Fi・モバイルルータ・LPWA など設置環境、台数、コスト、データ量に応じた通信手段を選定する
  • 設置場所は電源を確保できるか確認
    →電源がない場合、電池で稼働するものを選定する事となるが、計測の頻度が電池消耗へ与える影響が大きいことを考慮する

自社でも利用しました

自社でも利用しました

重量センサーの上にA4用紙を置くことで、倉庫の在庫状況が各部ごとに見えるようになりました。
用紙の使用量を定期的に確認していた経営企画部からは、「紙に毎回書かなくても良くなった」「便利」との声がありました。

椅子圧力センサーディスプレイ
部長を探せ!

着座により圧力がかかると電波を発信、電波を受信すると位置を更新します。
空席状況や回転率の表示・分析に応用可能です。

圧力センサー

部長を探せ!

位置情報センサー(Beacon)ディスプレイ
位置情報をリアルタイム表示

Beacon から5秒間隔で電波を送信、電波強度が最も強いエリアにいると推定します。
現場での「モノの捜索」に応用可能です。

Beacon

リアルタイム表示

開発のきっかけは、社内の声

「社内にはいるはずだけど、席にいない」「行先の表示がグループウェアに記載されていないくて、電話の取り次ぎに困る」「新型コロナウイルス対策でフロアが分かれたので、連絡を取る際に自席にいるか確認したい」――
このような声に、IoT で応えられないか考えました。そこで、ネームプレートにBeaconを付けることで位置情報をリアルタイムに表示する仕組みを構築しました。
これなら、フロアのどこにいるかが把握できるため、連絡を取る際に便利です。更に、導線データから「作業時間」「作業効率」が可視化できるため、業務効率の改善に活用できることが分かりました。

Beaconを利用すると、人だけでなくモノの位置も把握できます。例えば製造業でよく聞かれる「モノが無くなる」問題にも応用できます。

位置情報表示システム開発担当
位置情報表示システム開発担当

リアルタイム表示ができるまで

電波の受信機を設置

Step1

電波の受信機を設置

表示スクリプトを設定

Step2

表示スクリプトを設定

ディスプレイを調整

Step3

ディスプレイを調整

リアルタイム表示の完成

Step4

リアルタイム表示の完成

電波の反射に大苦戦

電波の強度から位置を測定しようと取り掛かるも、公式通りにうまくいきませんでした。原因はなんと、新型コロナウイルス対策で設置された仕切り板による電波の反射……。

反射による距離のブレを吸収できないか、試行錯誤すること3か月――

ある時ログを眺めていると、「Beacon と受信機の距離が近いと電波を拾う回数が多い」ことに気付きました。そこで、捕捉回数から「電波の重み付け」を行い、距離に換算したところ大成功!誤差が修正され、正しい位置が表示できるようになりました。

他の場所で展開する場合は、設置する場所に合った方法を模索する必要がありそうですね。

電波強度と距離

データセンターにもIoT

データセンターにもIoT

データセンター内に「温湿度センサー」を設置しています。閾値を超過した温湿度を検知した際に、管理者へメールで通報される仕組みです。
湿度測定は風等の影響を受けやすいですが、従来のシステムと比較して安価に構築ができました。

記事担当:上洞、小倉(KCS新技術研究担当)

KCS新技術研究担当

将来の新ソリューション創出に繋げるため、日々基礎研究に、そしてお客様との共創に取り組んでいます。
「こんなことできないの?」などのアイデアや、共同実験のお誘いをお待ちしております。

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